2013年開催目録

開催日 演 題 発表者 所 属

豊かな自然を残し、渡り鳥の中継地にもなっている千歳市、この地で鳥見を始めて19年、気楽に、短時間に、ちょっとした時間に市内をうろうろ、19年間の野鳥の移り変わりと千歳市内の野鳥について感じたことを紹介します。

石川県加賀市にあるラムサール条約湿地の片野鴨池は、伝統の鴨猟と野鳥観察が「同居」しているめずらしい場所です。しかしこの状態は偶然できあがったのではなく、鴨池の歴史の中で、関係者の地域資源利用をめぐるかかわりとせめぎ合いによって形成されてきた「結果」です。片野鴨池の事例から、野鳥という地域資源を活用や保全する仕組みの重要性と現代的な持続可能な資源利用のあり方を解説し議論します。

コムケ湖は道内有数の野鳥の宝庫。コムケ湖の鳥類標識調査などを通じてシギチドリのマーキング調査で解ったこと、新たなシギチドリの食性に関する見地、そしてここだけのマル秘データも公表か!? コムケならではの鳥の写真をみながら、最近つくった「コムケ野鳥ノート」を語り、時間があれば紋別沖合の海鳥調査の映像もお見せできればと思います。

洞爺湖中島は、1957年~65年に3頭のシカが持ち込まれ、その後個体数は爆発的に増加し、1893年にはピークに達して島内のササ類などの林床植生が衰退しました。そうした環境では鳥類相がどのように変化するかを把握するため、2007~10年の春季を中心に調査を行いました。その結果と最近の情報等から分かってきたことをお話したいと思います。

鵡川や室蘭で観察したチュウヒをはじめ、ハイイロチュウヒやコチョウゲンボウなどのワシタカ類の珍しい興味をひく行動、およびワシタカの渡りなどについて、この目で見た観察例(実体験)を正直に思い存分語ります。またベニマシコの求愛ポーズなどについても話題提供し、情報を共有できればと思います。

大学4年間を北海道で過ごした後に見た、地元富山県は今までとは少し違う景色に見えました。本州ならではの身近な生きものの話を中心に、富山県で見た生き物についてスライドを紹介しながら多くを語りたいと思います。

一晩中さえずり続けたり、育雛中にペア以外の雄がどこからともなくやってきて巣の周りを一日中うろうろしたり。ヤブサメは謎の多い鳥です。前回の発表から2年。藪の中、闇の中にあったヤブサメの生態は果たして明らかになってきているのか?行動観察から遺伝解析までおこない得られた最新の知見をご紹介します。

世界の9千8百種ほどの鳥類のうち、約12%が絶滅の危機に直面しています。その原因は捕獲、環境破壊、外来種の持ち込みなど人間によるものが大部分です。特に日本固有種の保全は私たちの責任が重大です。ヤンバルクイナやアホウドリの保全の例を紹介し、今後どうしたら鳥類と人類は共存していけるのかを考えてみたいと思います。

2009年秋から苫小牧沖で海鳥ウォッチングクルーズを行っています。通年の観察活動を通して各種の海鳥類が観察されており、道東の海鳥ウォッチングクルーズと遜色ないほどの種数が確認されています。今回は、クルーズで見られたアホウドリをはじめミズナギドリ類などの海鳥の紹介とともに、海鳥のモニタリングの重要性について発表します。

野生動物に餌を与えることについての見解は人によって様々だ。絶対にダメだという人もいれば、別に構わないと考える人もいる。餌付けの可否を明確に線引きするのは難しいが、なかには人間社会や生態系への悪影響が危惧されるような、行過ぎた状況も起こりうる。餌付け行為のどういう点に配慮すべきか、そのポイントを探ります。

まりもっこり、よいとまけ、怪鳥フリュー。これらはすべて北海道の湿地の文化の一例です。湿地と人が関われば、そこに文化が生まれます。そうした事例を集めることで、湿地の新たな魅力を発信し、また、湿地の保全とワイズユースに活かそうというプロジェクトが始まっています。ネパールなどにおける現地調査や数々の事例をご紹介し、湿地性鳥類との関連についても考えたいと思います

鳥の写真を撮っていて、まずは「野鳥、飛ぶ!」をテーマにしていましたが、いろいろと撮り続けているうちに、「猛禽類の行動や生態」にも強く魅かれるようになりました。コチョウゲンボウの狩りなど、北海道で撮影した10余種の猛禽類の飛翔写真の映写から、撮影時の失敗談やほんの少しの自慢話などを通じて、彼らの魅力についてお話します。