2014年開催目録
回 | 開催日 | 演 題 | 発表者 | 所 属 |
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雪虫はアブラムシの仲間です。一年のうちに体の形を変え、すみかや食べ物を変え、短い命をリレーするようにつないで暮らしています。秋に飛ぶ雪虫はどこへ行くのか。追いかけて知ったのは、小さな虫の奇妙な暮らしぶりでした。2013年秋に出版した写真絵本「雪虫」の話をもとにしながら、撮影方法や取材を続ける富良野の自然を紹介します。
320 | 02.15 | ケイマフリ生息地のいま〜国内には何羽いる? | 先崎理之 | 北海道大学大学院農学院・北海道海鳥保全研究会 |
ウズラのさえずり確認回数をエリアごとに分けて記録し分析を行った結果、さえずりやすい時間帯があることなどが分かりました。野生ウズラについては国内でもあまり研究が行われていません。今回は卒論テーマとして取り組んだウズラの生態の一端をご紹介します。
バードウォッチャーは、観察地の足下などで鳥の死体や羽を見かけることが多いと思います。そんな場に遭遇して見て見ぬふりをするのではなく、「なぜこうなったか!」などの状況を探り、羽を拾ってじっくり見ることにより、その鳥の行動や羽の形態・構造など、いろいろなことがわかってきます。今回は実際に羽を手にして感じていただければと思います。
任意団体「北海道希少生物調査会」は、おもに札幌在住の自然環境調査員らから構成されています。これまで会の活動としては、希少爬虫類である “シロマダラの調査” 円山動物園との協働事業による “円山地域のコウモリ相の把握” などを行ってきました。ここではこれら経緯と現状、および当会の目指している方向などについて分かりやすく楽しくお話します。
近年、アオサギの駆除数が全国的に急増しています。平成8年度に8羽であった駆除数は平成22年度には3,412羽を数えるまでになりました。これほどの増加はアオサギの個体数変化だけでは到底説明しきれません。そこで北海道アオサギ研究会では、行政を含む現行の駆除システムの不備がこうした事態の背景にあると考え、全国の自治体を対象に詳細な聞き取り調査を行ってきました。今回はその調査結果をもとに極めて問題の多い駆除行政の実態を報告します。
日本各地の森林に広く生息するクマタカは、威厳ある姿をした大型の猛禽類です。彼らは広い面積と多様な餌動物、大きな樹木を併せ持つ豊かな森に暮らしています。森に溶けこむ彼らを目にすることは少なく、全ての生態が明らかにされているとはいえません。そこで今回は、主に関西・中部地方と北海道における観察事例から、クマタカの行動や繁殖活動の一端についてご紹介します。
かつて北海道では珍しいとされていたダイサギが、最近では普通に近い鳥になってきました。越冬個体も増えてきたようです。それに伴って図鑑などでの取り扱いが変わってきましたが、亜種ダイサギと亜種チュウダイサギの区別が不十分なこともあり、さまざまな混乱も生じました。今回は具体的な調査結果ではなく、北海道の野鳥関係資料(図鑑、報告書、新聞報道など)から見るダイサギの過去から現在までの状況を、全く私的な観点からお話しします。
全国的に大型哺乳類による農林業被害や獣害が発生していますが、特に北海道で問題になっているのが、推定50万頭が生息するとされるエゾシカです。シカ問題は高頻度で新聞・ニュース等で取り上げられる機会が多く関心も高いといえます。演者は日本オオカミ協会(JWA)の活動に1993年創設以来参画し、オオカミという動物に対する正しい知識の啓蒙普及、そして本来の良好な森林生態系の復元を目的に日本における再導入を提唱しています。本話題提供では、オオカミの必要性を理解してもらい、誤解、偏見を解くと共にオオカミ復活の必要性を提案し、賛否問わず、いろいろお話しできれば嬉しく思います。
万葉集から現代文学まで、野鳥はどのように描かれてきたかという観点から、野鳥が登場する文学作品を紹介します。1回目は、万葉集や古今和歌集などの和歌を経て江戸時代の俳句を読み、さらに明治以降の俳句と短歌を鑑賞します。 (一例) 「いかる来て起きよ佳き日ぞと鳴きにける」 水原秋桜子
人間や社会を描くことを主眼とする現代文学では、野鳥が登場する作品はあまりないのですが、2回目では野鳥が描かれるいくつかの小説等をバードウォッチャーの視点から紹介し、鑑賞します。取り上げる作品は、中勘助「鳥の物語」、木下順二「夕鶴」、井上靖「海峡」、吉村昭「漂流」、藤沢周平「玄鳥」、稲見一良「ダック・コール」などを予定しています。
この森(野幌森林公園)の近くに居を構えたのが1982年、身近に自然が有り、通勤にも便利、そんな理由からでした。森と関わりだしたのは50歳を過ぎていましたが、休日にはカメラを持って散策と野鳥観察を始めるようになりました。森での仲間も増え森との関わりがどんどん増すとともに、「退職したらこれだよね!」と、いつの間にか漠然とそんな事を考えるようになっていました。カメラも一眼レフに変わって計画が進行、そして退職と同時に「毎日が森の人」となり、あっという間に6年が経ちました。この森で撮り貯めた画像をもとに、必死に生きようとしている生き物たちを紹介、そして希少なクマゲラの生態にも触れてみたいと思います。